現在、適格退職年金を採用している企業は、平成24 年3 月末までに適格年金にある資産を他の制度に移換することが法律で定められました。平成14 年4 月に法制化されてから早2年、すでに何らかの対策を打たれた企業数は1万社の大台を超えました。当初は様子見であった企業の中にも、毎年増加していく積立不足を目の当たりにして対応を早めている企業が増えてきています。
適格退職年金加入数
| 年度 | 加入者数 | 採用企業数 |
|---|---|---|
| 平成12年3月末 | 991万人 |
81,466社 |
| 平成13年3月末 | 964万人 | 77,564社 |
| 平成14年3月末 | 915万人 | 73,913社 |
| 平成15年3月末 | 858万人 | 66,752社 |
| 平成16年3月末 | 777万人 | 59,162社 |
| 平成17年3月末 | 653万人 | 52,761社 |
| 平成18年3月末 | 567万人 | 45,090社 |
| 平成19年3月末 | 506万人 | 38,885社 |
いまだ適格年金対策に着手していない企業のトップにその理由を尋ねてみると、
・担当者の知識が不足している
・トータルコスト上昇を懸念している
・どの制度に移すのが妥当なのか分からない
・相談する相手がいない
などがあげられています。
つまり、適格年金についてなんらかの対策は打たなければいけないことは分かってはいるものの、その対策について確信を持てないために先送りにしているというのが実情のようです
※「企業年金制度移行事例集−平成15年度中小企業庁委託調査―」中小企業庁 経営安定対策室刊
適格退職年金からの移換先としては、以下の5つが認められています(詳細は適格退職年金の移換先)。厚生年金基金、規約型ならびに基金型確定給付企業年金の3制度については、中小企業には不向きですので、ここでは中小企業退職金共済、確定拠出年金への移換数について報告します。
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適格退職年金から中小企業退職年金共済への移行状況
| 平成12年 | 1215社 |
28,484人(1企業平均23.4人) |
| 平成13年 | 1821社 | 51,093人(1企業平均28.1人) |
| 平成14年 | 1620社 | 44,389人(1企業平均27.4人) |
| 平成15年 | 3981社 | 124,999人(1企業平均31.4人) |
| 平成16年 | 1602社 | 44,389人(1企業平均27.7人) |
| 平成17年 | 3986社 | 124,999人(1企業平均31.3人) |
| 平成18年 | 2779社 | 78,686人(1企業平均28.3人) |
| 平成19年(5末現在) | 402社 | 11,944人(1企業平均29.7人) |
適格年金からの移行先として、中小企業退職金共済を選択している企業数は、全国で約4000社を超え、一番人気というのは間違いのないところのようです。しかし、企業規模を見てみると、従業員数30名以下の企業が全体の71%を占めています。これは
1. 移行手続きが比較的簡易であること
2. 費用負担が比較的少ないこと
3. 国が実施している制度であり安心感があること
などがその理由としてあげられています。
中小企業退職年金共済への移行-規模別
企業数(社) |
従業員数(人) | ||
|---|---|---|---|
| 1人〜 | 9人 | 2,667 |
16,977 |
| 10人〜 | 19人 | 3,505 | 49,401 |
| 20人〜 | 30人 | 2,089 | 51,270 |
| 31人〜 | 50人 | 1,885 | 73,298 |
| 51人〜 | 100人 | 1,234 | 84,728 |
| 101人以上 | 400 | 62,907 | |
| 計 | 11,780 | 338,581 | |
| 平均従業員数(人)402社 | 28.7 | ||
30名以上の規模の企業が、中小企業退職金共済を選択しない理由としては、
1. 現行の予定利回り(1%)で従来の給付水準を維持しようとすると企業負担が増加する、
2. 従業員の意識改革にはつながらない、
3. 中小企業退職金共済の財政状況に不安を感じている、
などがその理由として考えられます。
他制度からの資産移換【事業主単位】
| 従業員数 | 計 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
| 99人以下 | 100人〜 299人 |
300人〜 999人 |
1,000人 以上 |
||
| 厚年基金 | 62 | 36 | 23 | 22 | 143 |
| 確定給付企業年金 | 46 | 16 | 19 | 15 | 96 |
| 適格退職年金 | 1,643 | 811 | 355 | 129 | 2,938 |
| 退職金 | 505 | 234 | 196 | 184 | 1,119 |
| 厚基・確定給付企業年金 | 5 | 7 | 1 | 3 | 16 |
| 厚年基金・適年 | 5 | 3 | 4 | 4 | 16 |
| 確定給付企業年金・適年 | 7 | 5 | 2 | 3 | 16 |
| 厚年基金・退職金 | 11 | 9 | 7 | 7 | 34 |
| 適年・退職金 | 437 | 316 | 205 | 73 | 1,031 |
| 確定給付企業年金・退職金 | 6 | 3 | 2 | 6 | 17 |
| 確定給付企業年金・適年・退職金 | 5 | 2 | 1 | 3 | 11 |
| 厚年基金・適年・退職金 | 9 | 4 | 3 | 5 | 21 |
| なし | 2,348 | 578 | 286 | 191 | 3,403 |
| 計 | 5,089 | 2,024 | 1,104 | 645 | 8,862 |
確定拠出年金を採用している企業は、急速に増加しつつあり平成18 年3 月現在で6664社に上り、企業型年金の加入者は172万人になっています。中小企業庁の調査によると確定拠出年金を採用した企業のうち61.2%が、以前は適格年金を実施していた企業となっています。
確定拠出年金採用企業の平均従業員数は258.1人であり、規模別に見ると99人以下の企業が3862社と全体の57.9%にも上っています。
結論づけて言うならば、30名未満の企業は中小企業退職金共済(もしくは解約)、30名以上の企業は確定拠出年金、300名以上の企業は確定拠出年金もしくは確定給付企業年金が、その選択の主な移換先として選択されるという傾向が顕著化してきているようです。






